「健康経営の予算、何に使えばいい?」——はじめて担当者になった方からよく聞く悩みです。
健康経営の担当を任されたものの、何から手をつければいいかわからない。予算はあるけれど、何に使えば「正解」なのかが見えない。そんな状況は、決して珍しくありません。
この記事では、予算の使い道に迷っている担当者に向けて、考え方の整理とシンプルな優先順位のつけ方をお伝えします。
健康経営の予算の使い方、まず認定要件から逆算する
健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定に必要な項目数は、法人の規模によって異なります。
| 必須項目 | 選択項目 | |
|---|---|---|
| 小規模法人 | 7項目 (全部クリア必要) | 6項目以上 (17項目から選択) |
| 中小規模法人 | 7項目 (全部クリア必要) | 8項目以上 (17項目から選択) |
まずは必須7項目をクリアしたうえで、自社が満たせていない選択項目を確認するところから始めましょう。
ブライト500・ネクストブライト1000を目指す場合は選択項目を16項目以上満たす必要があり、ほぼ全項目への取り組みが求められます。
予算の使い道に迷ったら、まず「自社がどの項目を満たしていないか」を確認するところから始めましょう。
なお、選択項目はグループごとに必要な取り組み数が設定されています。詳細は認定要件をご確認ください。
▶ 認定要件PDF(経済産業省)
今すぐできる!優先順位がわかるチェックリスト
以下の項目をチェックしてみてください。「できていない」項目が、予算を使うべきエリアのヒントになります。
※ 中小規模法人部門(健康経営優良法人2026)の評価項目をもとに作成
- 健康宣言を社内外に発信し、経営者自身が健診を受けている
- 健康づくり担当者を設置している
- 40歳以上の従業員の健診データを提供している(求めに応じて)
- 健康経営の具体的な推進計画を立てている
- 受動喫煙対策に取り組んでいる
- 健康経営の取り組みに対して評価・改善を行っている
- 法令遵守(定期健診・ストレスチェック・労基法等)ができている
- 定期健診の受診率が実質100%になっている
- 受診勧奨の取り組みをしている
- 50人未満の事業場におけるストレスチェックを実施している
- 管理職または従業員への健康教育の機会を設けている
- 適切な働き方実現に向けた取り組みをしている
- 仕事と育児または介護の両立支援に取り組んでいる
- コミュニケーション促進に向けた取り組みをしている
- がん等の私病に関する復職・両立支援に取り組んでいる
- 女性の健康保持・増進に向けた取り組みをしている
- 高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組みをしている
- 保健指導の実施または特定保健指導の機会を提供している
- 食生活の改善に向けた取り組みをしている
- 運動機会の増進に向けた取り組みをしている
- 長時間労働者への対応に関する取り組みをしている
- メンタルヘルス対策に取り組んでいる
- 感染症予防に関する取り組みをしている
- 喫煙率低下に向けた取り組みをしている
はじめての担当者が施策を選ぶときの3つのポイント
チェックリストで「できていない」項目が見えてきたら、そこに予算を使うのが最も合理的です。費用対効果よりも、まず認定要件との紐づけを意識することが重要です。
施策を選ぶときは、以下の3点を意識するとうまくいきやすいです。
- 担当者の準備・運営コストが低いこと
- 従業員が参加しやすい形式であること
- 実施後に記録が残ること(認定申請に使える)
特に予算がまったくない状態から始めたい方は、無料でできる施策と外部の無料リソースをまとめた「健康経営、何から始めればいい?初めての担当者がお金をかけずにできる最初の一歩」もあわせてご覧ください。
特に「記録が残るかどうか」は見落とされがちですが、認定申請の際に実績として提出できる形で残しておくことが重要です。
施策を選ぶ段階での判断軸については「健康経営担当者の負担を減らすには?兼務でも回せる運営の考え方」でも詳しく整理しています。
koko careの口腔ケアプログラムは、実施後に認定申請にそのまま使えるレポートが付属しています。詳細はこちら →
まとめ
健康経営の施策は「いいことをやる」だけでは不十分で、「認定につながる形でやる」ことが大切です。まずはチェックリストで自社の現状を把握するところから始めてみてください。
なお、施策を選んで実際に動かし始めると、次の課題として「参加率」が出てきます。準備を整えても参加率が上がらない場合の原因と対策は「健康施策の参加率が上がらない理由:見落としがちな3つの原因と担当者にできる対策」で解説しています。

